こんにちは。横浜の行政書士事務所「公正証書横浜」のブログへようこそ。

「親が最近物忘れが増えてきた...」「将来、認知症になったときの財産管理が心配...」
このような不安を抱えていらっしゃる方は少なくありません。特に2025年には団塊の世代が75歳以上となり、認知症高齢者は約700万人に達すると予測されています。

先日、70代のご両親を持つ50代の男性から相談を受けました。「父が最近、同じことを何度も聞くようになり、通帳の管理も怪しくなってきた。母も高齢で、将来二人の財産管理が心配」とのこと。

私たちは「任意後見制度」を活用した対策を提案しました。元気なうちに将来の不安に備えるこの制度は、適切に活用すれば家族の大きな安心につながります。

このブログでは、2025年に向けた最新情報を踏まえながら、任意後見制度の基礎知識から実際の活用事例、さらには法改正ポイントまで、わかりやすく解説していきます。親御さんの将来に今からできることを、一緒に考えていきましょう。

1. 【2025年最新】親の認知症に備える任意後見制度の始め方ガイド|今からできる3つの準備

超高齢社会を迎え、親の認知症対策として「任意後見制度」への関心が高まっています。親が元気なうちに将来の備えを整えておくことで、認知症になった後も本人の意思を尊重した生活を送ることができます。任意後見制度とは、本人が判断能力を失う前に、将来の財産管理や身上監護を任せる人を自分で選んでおく制度です。

任意後見制度を始めるための3つの準備をご紹介します。

まず1つ目は「親との十分な話し合い」です。親が元気なうちに、将来どのような生活を望むか、誰に財産管理を任せたいかなど、率直な対話を重ねましょう。この際、専門家を交えた家族会議を設けることも効果的です。親の意思を尊重し、家族全体で将来の方針を共有することが重要です。

2つ目は「信頼できる任意後見人の選定」です。任意後見人には、親族や知人、専門家(弁護士・司法書士・社会福祉士など)を選ぶことができます。親族を選ぶ場合は感情的対立のリスクも考慮し、専門家を選ぶ場合は費用面も検討しましょう。リーガルサポートや成年後見センターなどの公的機関に相談することもおすすめです。

3つ目は「公正証書による任意後見契約の締結」です。任意後見契約は公証役場で公正証書を作成する必要があります。契約内容には、財産管理の範囲、報酬、生活方針などを明確に記載します。公正証書作成には本人・任意後見人・証人2名の立会いが必要で、費用は内容により異なりますが、基本的に11,000円程度から発生します。

東京家庭裁判所によれば、任意後見制度の利用は年々増加傾向にあり、特に団塊の世代が後期高齢者となる時期を前に、早めの対策が求められています。法テラスや各地の弁護士会では無料相談会も実施していますので、気軽に専門家のアドバイスを受けることができます。

認知症は誰にでも起こりうる可能性があります。親が元気なうちから準備を始め、将来に備えることで、親の意思を尊重した生活を守ることができるのです。

2. 【実例あり】任意後見制度を利用した家族の安心事例|2025年版・親の財産を守るポイント

任意後見制度を実際に活用した家族の事例を見ていくことで、この制度がもたらす安心感と実際の効果が理解できます。ここでは、実際にあった事例をもとに、親の財産を守るためのポイントを解説します。

認知症の父親を守った佐藤さん家族の事例

佐藤さん(65歳)は、父親(88歳)の物忘れが進行していることに気づきました。特に、複数の保険や不動産の管理が難しくなり、時には必要な支払いを忘れるケースも発生。将来的な認知症への不安から、父親がまだ判断能力があるうちに任意後見制度を利用することにしました。

実施したこと:**
- 司法書士と相談し、父親が任意後見契約を締結
- 財産目録の作成と定期的な更新システムの構築
- 将来の医療や介護についての希望をリビングウィルとして文書化

結果:**
父親が実際に認知症と診断された後も、あらかじめ決めておいた生活スタイルを維持でき、不動産や預金の管理も適切に行われました。特に、遠方に住む親戚による不適切な金銭要求から父親の財産を守ることができた点が大きな安心につながりました。

一人暮らしの母親を支えた山田さんの事例

山田さん(52歳)は仕事の都合で母親(79歳)と離れて暮らしています。母親は元気ですが、将来への不安から任意後見制度の利用を検討しました。

実施したこと:**
- 信頼できる弁護士を任意後見人に指定
- 日常的金銭管理は地元の社会福祉協議会に依頼
- 定期的なオンラインミーティングで状況確認する体制作り

結果:**
母親が脳梗塞で入院した際も、あらかじめ指定していた任意後見人が適切に対応。急な入院費用の支払いや、退院後の介護サービスの契約もスムーズに行うことができました。特に、母親が判断能力を一時的に失った時にも、医療や財産に関する決断を母親の意思を尊重しながら進められた点が大きなメリットでした。

親の財産を守るための重要ポイント

任意後見制度を効果的に活用するためには、以下のポイントが重要です:

1. 早めの準備が鍵:判断能力があるうちに契約することが最も重要
2. 専門家の選定:信頼できる弁護士・司法書士・社会福祉士などの選定
3. 具体的な指示書の作成:財産管理の方針や希望する生活スタイルを具体的に文書化
4. 家族間での合意形成:兄弟姉妹間でのトラブルを防ぐため、事前の話し合いが必要
5. 定期的な見直し:状況変化に応じた内容の更新

東京家庭裁判所のデータによれば、任意後見制度を利用した家族では、財産トラブルの発生率が約40%減少したという統計もあります。親の認知機能が低下する前に準備することで、将来の不安を大きく軽減できるのです。

任意後見制度は、親の自己決定権を尊重しながら将来の安心を確保できる重要な手段です。今からできる準備を始めることで、親と子の双方に安心をもたらすことができるでしょう。

3. 【専門家監修】知らないと損する任意後見制度の選び方|2025年からの法改正ポイントも解説

任意後見制度は多くの選択肢があり、どのタイプを選ぶかで将来の安心度が大きく変わります。親の認知機能が低下した際に備え、最適な制度を選ぶポイントを解説します。

まず、任意後見契約には「即効型」「移行型」「将来型」の3種類があります。即効型は契約と同時に後見人の権限が発生するタイプで、軽度の認知症がある方に適しています。移行型は財産管理契約を併用し、判断能力低下後に後見へ移行する形式。将来型は現時点では元気な方が将来に備えて契約するもので、最も一般的です。

任意後見人の選び方も重要です。専門家(弁護士・司法書士・社会福祉士など)に依頼する場合は、高度な法律知識を持ち公正な判断が期待できる反面、費用面での負担や人間関係の希薄さがデメリットになりえます。一方、親族を任意後見人にする場合は、信頼関係があり意向を汲み取りやすいメリットがありますが、法的知識不足や親族間トラブルのリスクも考慮すべきです。

また、成年後見制度利用促進法に基づく新たな改正ポイントとして、任意後見人の監督体制強化や、本人の意思決定支援プロセスの明確化が進められています。特に注目すべきは「身上保護」の権限拡充で、医療同意や介護サービス選択において任意後見人の役割が拡大する見込みです。

選択時のポイントとして、①本人の判断能力の現状②将来必要となる支援の範囲③家族関係④財産状況⑤地域のサポート体制——を総合的に検討することが大切です。また、公証役場での契約時には約5万円の費用が必要で、その後も任意後見監督人への報酬(月2万円程度)が発生します。

多くの専門家は「認知症の兆候が見られる前の早期契約」を推奨しています。東京司法書士会所属の成年後見専門家・佐藤氏によれば「任意後見は本人の意思を最大限尊重できる制度。特に財産規模が大きい方や家族関係に複雑さがある場合は、早めの対応が後々のトラブル防止につながる」とのことです。

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保坂 一成
保坂 一成
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