将来への備えとして「公正証書」や「任意後見」の利用を検討する際、最初に直面するのが「誰に相談すればよいのか」という疑問ではないでしょうか。特に、現在誰かと揉めているわけではなく、将来の安心のために法的な書類を整えておきたいという場合には、書類作成のプロフェッショナルである行政書士が最適なパートナーとなります。

先日、横浜にお住まいの依頼者様から、切実なご相談をいただきました。「身寄りが少なく、もし将来認知症になってしまったら、財産の管理や生活の手配はどうなってしまうのか」という深い不安を抱えていらっしゃいました。私たちはじっくりとお話を伺い、ご自身が信頼できる支援者をあらかじめ決めておく「任意後見契約」をご提案し、確実な法的効力を持つ公正証書として作成するサポートをさせていただきました。すべての手続きを終えた際、「これでようやく安心して暮らせます」と安堵の表情を浮かべられたお姿は、私たちスタッフにとっても忘れられない瞬間です。

本記事では、紛争解決を主業務とする他の法律専門家と私たち行政書士の役割の違いを整理し、実際に将来の不安を解消された事例を通じて、あなたに合った専門家選びのポイントをご紹介します。

1. 紛争性の有無で変わる依頼先|争いがない場合の行政書士活用メリット

終活や将来への備えとして、任意後見契約や遺言書の作成を検討する際、最初に迷うのが「行政書士と弁護士、どちらに相談すべきか」という点です。両者とも法律の専門家ですが、その役割には明確な違いがあります。専門家選びで最も重要な判断基準となるのが、案件における「紛争性の有無」です。

基本的に、すでに親族間で意見が対立している、あるいは遺産分割協議で揉めているといった「紛争性がある」ケースでは、弁護士への依頼が必須となります。相手方との交渉や調停、裁判における代理人となれるのは、法律上、弁護士に限られているからです。

一方で、当事者間ですでに話がまとまっている場合や、将来のトラブルを防ぐための「予防法務」として書類を作成したい場合には、行政書士を活用することに大きなメリットがあります。行政書士は「書類作成のプロフェッショナル」であり、権利義務や事実証明に関する書類作成、官公署への提出手続きを専門としています。

特に、任意後見契約や遺言書の作成において、家族間で合意が形成されており、あとは法的に有効な公正証書として残すだけという段階であれば、行政書士への依頼が適しています。

争いがない場面で行政書士を選ぶ主なメリットは以下の通りです。

まず、費用面の負担を軽減できる可能性が高い点です。一般的に、紛争解決を前提とする弁護士報酬に比べ、書類作成業務を中心とする行政書士の報酬体系はリーズナブルに設定されている傾向があります。経済的なハードルを下げつつ、専門家のサポートを受けられるのは大きな利点です。

次に、書類作成に関する豊富なノウハウです。公証役場との打ち合わせや文案の作成など、公正証書完成までの煩雑な手続きをスムーズに進めることができます。行政書士は日常的に契約書や遺言書の起案を行っているため、依頼者の意向を法的効力のある文章に落とし込むスキルに長けています。

結論として、誰かと争う必要があるなら弁護士、争いがなく円満に手続きを進めたいなら行政書士、という使い分けが賢い選択です。自身の状況に合わせて最適な専門家を選ぶことで、無駄なコストや時間を省き、安心できる将来設計を行うことが可能になります。

2. 【実録】将来の生活に不安を感じていた依頼者様が任意後見を選んだ理由

一人暮らしの高齢者が増える中、元気なうちから自身の老後や死後の手続きについて備えておきたいという相談は年々増加しています。ここでは、実際に公正証書による任意後見契約を結ばれた70代女性の事例をご紹介します。彼女がなぜ法定後見ではなく任意後見を選び、そして専門家として行政書士を活用したのか、その背景には多くの人が抱える共通の悩みがありました。

依頼者様は配偶者と死別され、お子様は遠方で家庭を持って生活しているため、日常的な支援を頼むことに遠慮がありました。「今は健康だが、もし認知症になって判断能力が低下したら、預金の管理や施設への入居手続きはどうなるのか」という切実な不安を抱えて相談にいらっしゃいました。

当初、依頼者様は家庭裁判所が関与する「法定後見制度」の利用も検討していました。しかし、法定後見は既に判断能力が不十分になった後に利用する制度であり、誰が後見人になるかを自分で選ぶことが難しいという側面があります。全く面識のない専門家が選任される可能性もある点に、彼女は心理的な抵抗を感じていました。

対して「任意後見制度」は、判断能力があるうちに、信頼できる人物や専門家を自ら選び、将来どのような支援をしてほしいかという内容を契約で決めておくことができます。彼女にとって、自分のライフスタイルや希望を尊重してもらえる「自己決定権」が確保されている点が、任意後見を選ぶ決定的な理由となりました。

また、専門家選びにおいて彼女が行政書士への依頼を決めたポイントは、「予防法務」と「身近さ」でした。親族間で遺産争いなどの揉め事が発生している場合は、紛争解決の代理権を持つ弁護士に依頼するのが最適です。しかし、今回のケースでは親族間のトラブルは一切なく、あくまで将来への備えとして、不備のない契約書(公正証書)を作成することが目的でした。

行政書士は、官公署に提出する書類や権利義務に関する書類作成の専門家であり、特に紛争性のない相続手続きや後見契約、遺言書の作成サポートを得意としています。依頼者様は、日常的な見守り契約から死後事務委任契約まで、生活に密着した細やかな設計を相談しやすい環境を求めており、書類作成のプロフェッショナルである行政書士との二人三脚を選択されました。

結果として、公証役場にて公証人の立ち会いのもと公正証書を作成し、将来への漠然とした不安を解消することができました。この事例のように、紛争性がなく、自身の意思を法的に有効な書類として残したい場合、行政書士を活用することは費用対効果の面でも賢い選択肢の一つと言えます。

3. 丁寧なヒアリングから導き出した「公正証書」という解決策の提案

将来への不安を抱えて専門家に相談に訪れる際、相談者自身が「自分に必要な手続きはこれだ」と明確に把握しているケースは稀です。多くの場合は「なんとなく老後の財産管理が心配」「子供たちが相続で揉めないようにしたい」といった漠然とした悩みを抱えています。ここで行政書士や弁護士といった専門家が発揮するのが、丁寧なヒアリング能力と、そこから最適な法的手段を導き出す提案力です。

専門家は、単に依頼された書類を作成するだけではありません。家族構成、資産状況、将来どのような生活を送りたいか、誰に財産を託したいかなど、細部にわたる聞き取りを行います。このプロセスを通じて、相談者自身も気づいていなかった潜在的なリスクや、本当に実現したい希望が明らかになります。例えば、当初は簡単な遺言書の作成を希望していたとしても、ヒアリングの結果、認知症発症後の財産管理リスクが高いと判断されれば、「任意後見契約」の締結を併せて提案することがあります。

そして、これらの契約や意思表示を最も確実な形で残す方法として提案されるのが「公正証書」の作成です。公正証書は、法務大臣に任命された公証人が作成する公文書であり、極めて高い証明力と信頼性を持ちます。私文書(自分で書いた契約書や遺言書)の場合、形式の不備で無効になったり、紛失や改ざんのリスクがあったりしますが、公正証書であれば原本が公証役場に保管されるため、そのような心配がありません。また、金銭の支払いを伴う契約において強制執行認諾文言を入れておけば、裁判を経ずに強制執行が可能になるなど、強力な法的効力を持ちます。

特に任意後見契約においては、法律により公正証書での作成が義務付けられています。専門家は公証人と事前に綿密な打ち合わせを行い、法的に不備がなく、かつ相談者の想いが反映された文案を作成します。行政書士であれば書類作成のプロとしてスムーズな手続きをサポートし、弁護士であれば将来的な紛争リスクを徹底的に排除する観点から条項を精査します。

このように、丁寧なヒアリングを経て作成される公正証書は、単なる紙切れではなく、将来の安心と家族の絆を守るための強力な「お守り」となります。専門家選びにおいては、手続きの代行だけでなく、しっかりと話を聞き、個別の事情に合わせたオーダーメイドの解決策として公正証書を提案してくれるかどうかを重視することが大切です。

4. 契約締結後の変化|「これで安心して暮らせる」といただいた感謝の言葉

将来の認知症や財産管理に対する漠然とした不安を抱え、専門家の門を叩く方は少なくありません。行政書士や弁護士とともに時間をかけてライフプランを話し合い、公証役場で任意後見契約の公正証書を作成し終えたとき、依頼者の表情には明らかな変化が訪れます。それは、長い間背負っていた重荷を下ろしたような、安堵の表情です。

実際に手続きを完了された高齢の女性からいただいた、「これで安心して暮らせる」という言葉は、この業務に携わる専門家にとって何よりの報酬です。彼女は身寄りが少なく、もし判断能力が低下した際に、誰が自分の生活を守ってくれるのかという恐怖と隣り合わせで生活していました。しかし、任意後見契約と見守り契約を締結し、法的に有効な形で将来の代理人を定めたことで、「これからの人生を前向きに楽しめるようになった」と語ってくださいました。

契約締結はあくまで法的な手続きの一つですが、依頼者にとっては「老後の安心」を手に入れるための大きな転換点となります。通帳の管理や施設入所の手続き、入院時の身元保証など、独力では解決が難しい課題に対し、信頼できるパートナーがいるという事実は、精神的な安定に直結します。

行政書士であれ弁護士であれ、実務家が提供しているのは単なる書類作成代行サービスではありません。公正証書という強固な契約を通じて、依頼者が抱える将来への不安を取り除き、平穏な日常を取り戻すサポートを行うことこそが本質です。もし今、ご自身の将来について霧の中を歩くような心細さを感じているのであれば、専門家への相談が一筋の光となるはずです。契約締結後に得られる心のゆとりは、残りの人生をより豊かに過ごすための土台となるでしょう。

5. 公正証書作成の専門家として|横浜で私たちが大切にしている依頼者様への想い

ここまで行政書士と弁護士の職域の違いや、任意後見契約におけるそれぞれの役割について解説してきました。最後に、横浜を拠点に活動する私たちが、公正証書作成のサポートにおいて何よりも大切にしている「想い」についてお話しします。

公正証書の作成、特に任意後見契約や遺言書の作成は、単なる事務手続きではありません。依頼者様ご自身の人生の締めくくり方や、大切なご家族への愛情を法的な形にする、極めて人間味のあるプロセスです。だからこそ、私たちは法律知識の提供だけでなく、「心の整理」に寄り添うことを第一に考えています。

横浜市内には、横浜駅西口公証センターや関内大通り公証役場、みなとみらい公証役場など、複数の公証役場が存在します。私たちはこれらの公証役場と密に連携を取りながら、依頼者様がスムーズに、そして安心して手続きを進められるようサポートを行っています。慣れない公証役場への同行や、公証人との事前打ち合わせを専門家が代行することで、精神的な負担を大きく軽減できると考えています。

私たちが目指すのは、将来の不安を一つひとつ解消し、依頼者様が「今」を安心して過ごせる環境を整えることです。「紛争になってから戦う」のが弁護士の強みであるならば、「紛争にならないように予防する」のが行政書士の最大の使命です。円満な相続や老後の安心設計のために、ご家族の状況や資産の内容、そして何よりも「誰に何を託したいか」という本音をじっくりとお伺いします。

法律用語は難解なものが多く、どうしても敷居が高く感じられがちです。しかし、私たちは街の身近な法律家として、専門用語をできるだけ使わず、分かりやすい言葉で説明することを徹底しています。横浜で暮らす皆様が、法的なトラブルに巻き込まれることなく、笑顔で生活できるよう、予防法務の観点から全力でサポートいたします。公正証書という「安心のお守り」を作る過程で、皆様の想いを形にするお手伝いができれば幸いです。

投稿者プロフィール

保坂 一成
保坂 一成
公正証書は、あなたの権利を守り、より良い人生を送るために作成するものです。
そのためには、まずプロに相談したいところです。
横浜駅西口の公正証書作成オフィスである保坂一成事務所では、書類作成の専門家が効力のある書面作りを行っています。
法律業界30年以上の豊富な経験と実績を活かし最良の提案をします。

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