近年、結婚を控えたカップルや事実婚を選択されるお二人の間で、将来の約束事を書面にする「結婚契約書」や「婚前契約書」への関心が高まっています。インターネット上には様々な文例が存在するため、ご自身で作成を試みる方もいらっしゃいますが、そこには思わぬリスクが潜んでいることをご存知でしょうか。

先日ご相談いただいた事例をご紹介いたします。インターネット上の情報を参考に、ご自身で結婚契約書の原案を作成されたお客様がいらっしゃいました。「家事の分担」や「万が一離婚する場合の条件」などを盛り込んでいらっしゃいましたが、専門家の目線で確認すると、法的な強制力が弱く、実際のトラブル時には無効となりかねない条項が含まれていました。ご依頼者様も「本当にこれで法的に守られるのか不安だ」という悩みを抱えておられたのです。

そこで当事務所では、お二人の「約束を守りたい」という想いを尊重しつつ、法的に有効な表現への修正をご提案いたしました。さらに、将来的な紛争を未然に防ぐため、高い証明力と執行力を持つ「公正証書」として作成することをお勧めしました。結果として、「自分たちだけでは気づけなかった法的な不備を解消できた」「第三者である専門家のアドバイスがあったおかげで、お互いに納得してスムーズに合意できた」と大変安堵され、晴れやかな表情で新たな生活のスタートを切られました。

結婚契約書は、単なる紙切れではなく、お二人の信頼関係と将来の生活を守るための大切な「お守り」です。コストを抑えようとして自己流で作成した結果、肝心な時に役に立たなくては意味がありません。本記事では、結婚契約書をDIYするリスクと、なぜ行政書士に依頼して公正証書を作成すべきなのか、その理由を実務経験に基づいて詳しく解説してまいります。

1. インターネット上の情報を参考に作成した結婚契約書の落とし穴とは?行政書士が法的効力を高めるために修正をご提案した事例

結婚契約書(婚前契約書)への関心が高まる中、インターネットで検索すれば無料のテンプレートや雛形が容易に見つかるようになりました。費用を抑えるために、これらをコピー&ペーストして二人だけの契約書を作成しようと考えるカップルも少なくありません。しかし、専門知識なしに自作した契約書には、いざという時に役に立たない、あるいは無効になってしまう重大な落とし穴が潜んでいることがあります。

実際に行政書士として相談を受けた事例の中に、ネットの情報をそのまま引用して作成された原案がありました。そこには「不貞行為があった場合は直ちに離婚し、全財産を配偶者に譲渡する」や「離婚時の親権は夫が持つ」といった条項が含まれていました。お互いの合意があれば何でも決められると考えがちですが、法律の観点から見るとこれらは「公序良俗違反」とみなされ、法的に無効となる可能性が極めて高い内容です。特に親権者の指定などは子の福祉が最優先されるため、あらかじめ当事者間の契約だけで決定することは認められないケースが大半です。

このような場合、行政書士は二人の意思を尊重しつつ、法的効力を担保できるよう修正を提案します。例えば、「全財産没収」という実現不可能なペナルティではなく、法的に認められる範囲内での具体的な違約金や慰謝料の額、あるいはその算定方法を定める条項へと書き換えます。また、将来の解釈の相違を防ぐために、財産分与の対象となる特有財産と共有財産の範囲を明確に区分したり、公正証書として作成する際に公証人がスムーズに受理できる法的な文言へと調整を行ったりします。

自分たちだけで作成した私文書は、証拠としての能力が不十分であり、将来トラブルになった際に相手方から「強要されて書いた」と主張されれば覆されるリスクも否定できません。二人の大切な約束を確実に守られるものにするためには、個別の事情に合わせ、法律の専門家である行政書士によるリーガルチェックを経て、強制執行認諾文言付の公正証書として残すことが最も安全で確実な選択です。

2. 「ふたりの約束」を確実に守るために。自己流の作成に限界を感じて公正証書を選択されたご依頼者様のエピソード

結婚生活への期待とともに、「もしもの時」や「日々のルール」を明確にしておきたいと考えるカップルが増えています。ネット上のテンプレートを使えば、誰でも簡単に契約書らしきものを作ることは可能です。しかし、法的な裏付けのない「自己流の覚書」では、いざという時に大切なパートナーシップを守れない可能性があることをご存知でしょうか。

実際に当事務所へ相談に来られた、共働きのご依頼者様のエピソードをご紹介します。

当初、お二人はインターネットで見つけた雛形を参考に、自分たちだけで結婚契約書(婚前契約書)を作成しようと試みていました。「家計の負担割合」や「浮気時の慰謝料」について具体的な数字を書き込み、お互いに署名捺印をして保管する予定だったそうです。しかし、作成を進める中で、ある重大な懸念が頭をよぎりました。

「もし相手が約束を破って、この紙を『ただの紙切れだ』と主張したら、本当に法的な効力はあるのだろうか?」

この不安は的中します。実は、私文書(自分たちだけで作った文書)の場合、相手が支払いを拒否すれば、その契約書の正当性を主張するために裁判を起こさなければならないケースがほとんどです。また、条文の内容が公序良俗に反していたり、法的に曖昧な表現であったりすると、そもそも契約自体が無効と判断されるリスクさえあります。

お二人は「言った言わない」の争いを避けるため、そして何よりお互いの信頼を強固なものにするために、プロである行政書士の手を借りて「公正証書」にすることを決断されました。

行政書士が介入する最大のメリットは、お二人の希望を「法的に有効な文章」へと翻訳し、公証役場との緻密な打ち合わせを経て、証明力の高い公文書として完成させる点にあります。特に金銭の支払い(婚姻費用や養育費など)に関しては、公正証書に「強制執行認諾文言」を付記することで、万が一の不払い時に裁判を経ずに差し押さえ等の手続きが可能になります。

このご依頼者様は、最終的に「お互いの愛と責任を形にできた」と安堵の表情を浮かべておられました。自己流のDIY契約書は手軽ですが、それはあくまで記念品に近いものです。将来にわたって二人の生活を法的に守る「お守り」として機能させるならば、専門家の知見を取り入れ、公正証書として作成することが最も賢明な選択と言えるでしょう。

3. 将来の安心はお金には代えられない?作成コストを抑えることよりも確実性を重視して専門家に依頼すべき理由

結婚生活のスタートには挙式や新婚旅行、新居の準備など多額の費用がかかるため、少しでも出費を抑えたいと考えるのは自然なことです。しかし、結婚契約書(婚前契約書)に関しては、目先の作成コストを節約しようとして自分たちだけで作成する「DIY」には、計り知れないリスクが潜んでいます。

インターネット上には多くのひな形やテンプレートが存在しますが、それをそのまま流用して署名捺印したとしても、その契約書が法的に有効であるとは限りません。日本の民法では「公序良俗に反する契約」は無効とされます。例えば、「浮気をしたら全財産を没収する」「離婚はいかなる理由があっても認めない」といった極端な条項は、たとえお互いが合意していても、裁判の場では無効と判断される可能性が極めて高いのです。

自分たちだけで作成した私文書(夫婦間の覚書)は、いざトラブルが発生した際に法的な強制力を持たず、単なる「努力目標」として扱われてしまうケースが少なくありません。これでは、契約書を作成した意味そのものが失われてしまいます。

ここで行政書士などの専門家に依頼する最大のメリットは、「法的に有効であり、かつ強制執行認諾文言付きの公正証書に落とし込める」という点にあります。公正証書とは、法律の専門家である公証人が作成する公文書のことです。行政書士は、夫婦それぞれの希望をヒアリングした上で、法的に問題のない表現に調整し、公証役場との緻密な打ち合わせを行います。これにより、万が一約束が破られた際(例えば養育費や慰謝料の不払いなど)に、裁判を経ずに強制執行が可能になる強力な法的効力を備えることができます。

専門家に依頼する費用は決して安くはないかもしれません。しかし、もし将来、離婚や不貞行為などのトラブルが発生した際、契約書の不備が原因で調停や裁判が長引けば、その弁護士費用や精神的苦痛による損害は、当初の作成費用を遥かに上回ります。

結婚契約書は、二人の愛を疑うものではなく、万が一の事態からお互いの人生を守るための「保険」のような存在です。安易な節約で無効な紙切れを作るのではなく、将来の安心と確実性を手に入れるための必要経費として、専門家の知見を借りることを強く推奨します。

4. 形式的な不備で無効になってしまうリスクを回避するには。ご自身で作成された原案をもとに法的アドバイスを行った実例

近年、インターネット上で「結婚契約書 テンプレート」や「婚前契約書 雛形」と検索すれば、数多くのサンプルを無料で見つけることができます。費用を節約するために、これらを活用してご自身で契約書を作成しようと考えるカップルも少なくありません。しかし、法律の専門知識がないまま作成された文書は、いざという時に「法的な効力がない」「無効である」と判断されてしまうリスクが潜んでいます。

ここでは、実際に当事務所へご相談いただいた「ご自身で作成された原案」によく見られる不備と、それに対して行政書士としてどのような法的アドバイスを行い、有効な契約書へと仕上げたか、具体的な実例を基に解説します。

まず、非常に多いのが「公序良俗に反する内容」が含まれてしまっているケースです。
例えば、あるカップルが作成された原案には、「将来夫が浮気をした場合、罰金として1億円を即座に支払う」という条項がありました。浮気を防ぎたいという強いお気持ちは理解できますが、相手の収入や資産に照らして著しく過大な金額設定は、公序良俗違反として無効になる可能性が高いです。また、「夫婦生活の強要」と捉えられるような条項も同様に認められません。
このような場合、行政書士はお二人の合意を尊重しつつ、「裁判実務でも認められうる現実的な慰謝料額」への修正を提案したり、公正証書として公証人に受理される表現へと書き換えたりします。

次に注意が必要なのが、「強行法規に反する内容」です。
「離婚することになった場合、子どもの親権は無条件で父が持つ」といった取り決めを希望される方がいらっしゃいます。しかし、未成年の子の親権は「子の利益(福祉)」を最優先に決定されるべきものであり、夫婦間の契約だけであらかじめ拘束することはできません。このような条項は、記載しても法的拘束力を持たず、単なる道義的な約束にとどまるか、公正証書作成の段階で削除を求められることになります。
専門家が入ることで、どの部分が法的に強制執行可能で、どの部分が努力義務にとどまるのかを明確に線引きすることができます。

さらに、ご自身で作成される場合に起こりやすいのが「形式的な不備」です。
契約書の日付の書き方、署名・捺印の方法、複数ページにわたる場合の契印(割印)の位置など、契約書には守るべきルールがあります。これらが守られていない私署証書(自分たちだけで作った文書)は、将来トラブルになった際に、文書の成立そのものを争われたり、証拠としての価値が低くなったりする恐れがあります。

行政書士に依頼する大きな意義は、お二人が話し合って作成した「原案」の想いを汲み取りながら、それを「法的に盤石な公正証書」へとブラッシュアップできる点にあります。DIYで作った契約書がただの紙切れになってしまわないよう、原案作成後のリーガルチェックだけでも専門家に任せることは、将来の安心を買うための賢い選択と言えるでしょう。

5. 結婚生活の不安を解消する「お守り」としての契約書作成。第三者である専門家が介入することでスムーズに合意できたケース

結婚生活への期待とともに、将来に対する漠然とした不安を抱えるカップルは少なくありません。特に共働き世帯の増加や晩婚化に伴い、資産管理やキャリア形成、家事育児の分担について、結婚前に明確なルールを定めておきたいというニーズが高まっています。しかし、いざ二人だけで具体的な取り決めを行おうとすると、どうしても感情が入り込んでしまいがちです。「契約書なんて水臭い」「相手を信用していないのか」といった不信感が生まれ、話し合いが喧嘩に発展してしまうケースも珍しくありません。これでは、円満な家庭を築くための手段であるはずの契約書が、関係悪化の原因になってしまいます。

こうした膠着状態を打開し、スムーズな合意形成をサポートするのが行政書士などの専門家です。第三者である専門家が間に入ることで、契約書の作成プロセスは感情的な対立の場から、建設的な未来設計の場へと変化します。専門家は法的な観点から「何が有効で何が無効か」をアドバイスするだけでなく、お互いの要望を客観的に整理し、双方が納得できる妥協点や代替案を提示する調整役としての機能を果たします。

実際に、あるカップルの事例では、生活費の負担割合や将来の親の介護について意見が食い違い、破談寸前まで追い込まれていました。しかし、行政書士に相談し、公正証書としての作成を依頼したことで状況が一変しました。専門家が法的に強制力を持たせられる範囲と、努力義務にとどまる範囲を明確に区分けし、それぞれの不安を取り除く条項を提案したことで、二人は冷静さを取り戻しました。結果として、「万が一の時はこの契約書がある」という安心感が生まれ、お互いを尊重し合う形での合意に至りました。

また、専門家が作成に関与し、公証役場で公正証書として残すことは、法的効力を担保する上で極めて重要です。自分たちだけで作成した私文書(DIY)の場合、いざトラブルになった際に「脅されて書いた」「内容を理解していなかった」などと主張され、無効になるリスクがつきまといます。行政書士のサポートを受けて作成された公正証書は、こうしたリスクを最小限に抑える強力な「お守り」となります。結婚契約書(婚前契約書)は、相手を縛るものではなく、二人の生活を守るための防波堤です。不安要素をプロの手を借りて解消しておくことは、長く幸せな結婚生活を送るための賢い投資といえるでしょう。

投稿者プロフィール

保坂 一成
保坂 一成
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横浜駅西口の公正証書作成オフィスである保坂一成事務所では、書類作成の専門家が効力のある書面作りを行っています。
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