事実婚は、法律上の婚姻関係にないカップルが共同生活を営む形態で、多くのカップルにとって魅力的な選択肢となっています。しかし、法的な保護が少ないため、万が一のトラブルが発生した際には、権利が守られないことが懸念されます。そこで、公正証書を活用することで、事実婚カップルの権利を守る方法についてご紹介します。

公正証書とは?

公正証書とは、公証人が作成する公的な文書で、契約内容や当事者の権利・義務を明確に記載したものです。公証人が関与するため、その内容は法的に強い効力を持ち、裁判所での証拠としても有効です。

事実婚カップルが公正証書を作成するメリット

1. 財産分与の保障

事実婚では、法律上の婚姻と異なり、財産分与の権利が明確に定められていません。公正証書を作成することで、共同生活中に取得した財産の分配方法を事前に取り決めることができます。これにより、万が一の別離の際にも、公平な財産分与が可能となります。

2. 遺産相続の確保

事実婚カップルは、法定相続人としての権利がありません。しかし、公正証書で遺言を作成することで、パートナーに遺産を遺すことができます。これにより、パートナーの生活を保障することができます。

3. 養育費や生活費の支援

事実婚カップルが子供を持つ場合、公正証書で養育費や生活費の支払いに関する取り決めを行うことができます。これにより、子供の生活を安定させることができます。

4. 生活パートナーとしての権利の保障

医療の同意や緊急時の連絡先など、生活パートナーとしての権利を公正証書で明文化することができます。これにより、病気や事故の際にも安心です。

公正証書の作成手順

1. 事前準備

まず、双方で話し合い、取り決めたい内容を明確にします。財産分与、生活費、養育費、医療の同意権など、あらゆる事項をリストアップします。

2. 公証役場への相談

公証役場に事前に相談し、必要な書類や手続きについて確認します。公証人が相談に応じてくれるため、初めての方でも安心して進められます。

3. 公正証書の作成

公証人の立ち会いのもと、取り決めた内容を公正証書として作成します。作成された公正証書は、公証役場に保管され、必要に応じて写しを受け取ることができます。

まとめ

事実婚カップルにとって、公正証書は法的な保護を確保するための有力な手段です。財産分与や遺産相続、生活費の取り決めなど、将来の安心を確保するために、公正証書の作成を検討してみてはいかがでしょうか。公正証書を活用することで、二人の権利をしっかりと守り、安心して共同生活を続けることができます。

投稿者プロフィール

保坂 一成
保坂 一成
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