協議離婚を進めるにあたり、「将来の約束をしっかりと形に残したいけれど、専門家に依頼すると費用が高額になるのではないか」と不安を感じている方は少なくありません。

最近、当事務所にご相談にいらしたお客様も、まさにそのようなお悩みを抱えていらっしゃいました。ご夫婦での話し合いはある程度進んでいるものの、養育費や財産分与といった金銭的な取り決めを口約束だけで済ませることに強い不安を感じておられたのです。しかし、争いごとになっているわけではないため、大掛かりな法的手続きまでは望んでおらず、できるだけ費用を抑えて円満に解決したいというのが本音でした。

そこで私たちが提案したのは、行政書士による「離婚協議書の作成」と、それをより確実なものにする「公正証書原案の作成サポート」でした。当事者間での合意内容を法的に有効な書面に落とし込むことで、高額な費用をかけずに将来の安心を確保できることをご説明しました。

その結果、お客様は「こんなにスムーズに、しかも予算内でしっかりとした書類ができるとは思わなかった」と安堵の表情を浮かべられ、新たな生活へと踏み出されました。今回は、このお客様の事例をもとに、コストパフォーマンスを重視しながら円満な協議離婚を実現するための書類作成術についてご紹介します。

1. 費用の懸念と将来への不安~ご依頼者様が抱えていた「離婚協議書作成」に対するハードル

離婚を決意した際、精神的な負担と同じくらい重くのしかかるのが「お金」と「手続き」の問題です。特に、夫婦間で離婚すること自体には合意している協議離婚の場合、専門家に書類作成を依頼すべきかどうかで悩む方は非常に多くいらっしゃいます。

私たちが相談を受ける中で、多くのご依頼者様が最初に口にされるのは、「弁護士に依頼するほど激しく争っているわけではないが、自分たちだけで法的に有効な書類を作る自信がない」という悩みです。確かに弁護士等の代理人を立てて交渉を行う場合、安心感はありますが、着手金や報酬金を含めると数十万円単位の費用がかかることが一般的です。離婚後の新生活には引っ越しや生活基盤の再構築など多額の出費が伴うため、リーガルコストはできる限り抑えたいと考えるのは当然の心理でしょう。

一方で、費用を節約しようとインターネット上の雛形をそのまま流用し、当事者間の署名捺印のみで済ませてしまうことには大きなリスクが潜んでいます。養育費の未払いや財産分与の認識違い、年金分割の手続き漏れなど、数年後にトラブルが発生しても、適切な形式で作成された離婚協議書や公正証書がなければ、権利を主張することが難しくなるからです。「将来の安心を確保したいが、今の出費は最小限にしたい」。このジレンマこそが、協議離婚を進める多くの方が直面する最大のハードルとなっています。

こうした状況下で、紛争性のない円満な離婚においてコストパフォーマンスに優れた解決策として選ばれているのが、行政書士による書類作成サポートです。

2. 専門家としての解決策~コストを抑えつつ円満な合意形成をサポートする公正証書原案の作成

夫婦双方が離婚そのものには合意しており、条件面でも大きな争いがない場合、弁護士ではなく行政書士を活用することが、費用対効果の高い賢い選択肢となります。離婚協議において最も避けるべきは、口約束だけで別れてしまい、後になって「言った、言わない」のトラブルに発展することです。特に養育費や財産分与といった金銭的な取り決めは、将来の生活を左右する重要な要素であるため、確実な書面として残す必要があります。

行政書士は「予防法務」の専門家として、法的な不備がない離婚協議書の作成をサポートします。中でも重要となるのが「離婚給付契約公正証書」の原案作成です。公正証書とは、公証役場で公証人が作成する公文書のことで、これを作成しておくことで極めて強力な法的効力を得ることができます。もしも養育費の支払いが滞った場合でも、公正証書に「強制執行認諾文言」を記載しておけば、裁判を起こすことなく直ちに給料や預金の差し押さえが可能になります。この安心感こそが、円満な離婚を成立させるための鍵となります。

しかし、いざ公正証書を作ろうとしても、慣れない法律用語を使いこなし、公証役場と平日の日中に何度も打ち合わせを行うのは、仕事や家事、育児に追われる当事者にとって大きな負担です。ここに行政書士へ依頼する大きなメリットがあります。行政書士は、夫婦間で話し合った内容をヒアリングし、それを法的に有効かつ漏れのない文章へと整え、公証人との事前打ち合わせを全て代行します。当事者が公証役場へ出向くのは、原則として調印日当日の1回のみで済むよう手配するため、精神的・時間的なストレスを大幅に軽減できるのです。

また、費用面においても、代理交渉を行う弁護士に依頼する場合と比較して、行政書士による書類作成サポートは報酬相場が低く設定されていることが一般的です。争いが顕在化していない段階であれば、行政書士に依頼してスムーズに公正証書を作成することで、数十万円単位のコストカットを実現できるケースも珍しくありません。

コストを抑えながらも、将来のリスクを回避し、お互いが納得して新しい人生のスタートを切るために。行政書士による公正証書原案の作成サポートは、協議離婚における最適解の一つと言えるでしょう。専門家の知識を借りて、円満かつ確実な合意形成を目指してください。

3. 手続き完了後の変化~養育費や財産分与の取り決めも整い、安心して新生活をスタートされた事例

離婚協議書や公正証書の作成が無事に完了すると、それまでの不安や緊張から解放され、驚くほど晴れやかな気持ちで新生活を迎えられる方が多くいらっしゃいます。ここでは、行政書士のサポートを受けて協議離婚の書類作成を行い、スムーズに再出発を果たした具体的な事例をご紹介します。

ある30代の女性は、小学生のお子様を抱えての離婚に際し、養育費の不払いを最も懸念していました。当初は夫婦間の話し合いだけで済ませようとしていましたが、口約束だけでは将来支払いが止まるリスクがあることを知り、専門家に相談されました。行政書士が介入し、養育費の金額、支払期間、支払い方法、さらには将来の進学費用に関する取り決めまでを詳細に文書化しました。これらを「強制執行認諾文言」付きの公正証書として残したことで、「もし支払いが滞っても法的な手段が取れる」という強力な後ろ盾を得ることができました。結果として、元夫側も責任の重さを認識し、離婚後も毎月遅れることなく養育費が振り込まれています。彼女は経済的な不安を最小限に抑え、お子様との新しい生活基盤を築くことに専念できています。

また、別の40代男性の事例では、夫婦で購入したマンションの財産分与と住宅ローンの処理が大きな課題でした。離婚後の所有権移転やオーバーローンの扱いについて、当事者同士では感情的になりがちで話し合いが平行線をたどっていました。そこで行政書士が法的観点から整理を行い、財産分与の条件を明確にした離婚協議書を作成しました。双方が納得できる着地点を文書で見える化したことで、無用な争いを避けて円満に合意に至ることができました。手続き完了後、男性は「いつまでも過去の諍いを引きずることなく、仕事や趣味に前向きに取り組めるようになった」と語っています。

このように、行政書士に依頼してきちんとした書面を作成することは、単なる事務手続き以上の価値をもたらします。弁護士に依頼して裁判で争うような高額な費用や長い時間をかけることなく、合意ができている部分を確実に書面に落とし込む「予防法務」のアプローチは、コストパフォーマンスに優れています。

離婚は人生の大きな転機ですが、しっかりとした書類という「お守り」があることで、過去を清算し、未来へ向かって軽やかに一歩を踏み出すことができるのです。感情のもつれが深刻化する前に、第三者である専門家を介して書面を整えることは、お互いの新しい人生を尊重するための賢い選択と言えるでしょう。

投稿者プロフィール

保坂 一成
保坂 一成
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