横浜市の行政書士事務所に勤務する私たちのもとに、先日「離婚時の財産分与で揉めたくない」という相談が寄せられました。

ご相談者様は再婚を控えた40代の経営者。前回の離婚時に多額の財産分与で苦労された経験から、今回は事前に備えたいとのことでした。

「結婚契約書」という言葉を聞くと、愛情よりもお金の話と思われがちですが、実は将来の不安を減らし、お互いを尊重するための大切な取り決めなのです。

この記事では、私たちが実際に対応した事例を交えながら、結婚契約書の基本から作成手順、財産分与トラブルを防ぐための具体的なポイントまで、専門家の視点から詳しくご紹介します。

法的効力を持つ契約書の作成は専門知識が必要ですが、基本を知っておくことでご自身の将来を守ることができます。二人の新しい門出に安心をプラスする結婚契約書について、ぜひ最後までお読みください。

1. 【結婚契約書の基本】財産分与トラブルを未然に防ぐポイントを行政書士が解説

結婚契約書とは、夫婦間の財産関係や離婚時の財産分与について事前に取り決めておく書面です。離婚率が上昇している現在、財産分与をめぐるトラブルも増加傾向にあります。そのトラブルを未然に防ぐ有効な手段として、結婚契約書の作成が注目されています。

結婚契約書で最も重要なポイントは、「婚姻中に取得した財産の帰属」を明確にすることです。民法上、婚姻中に夫婦が取得した財産は特有財産を除き、原則として共有財産とみなされます。しかし、結婚契約書で「各自が取得した財産は各自のものとする」と明記しておくことで、離婚時の財産分与トラブルを大幅に減らせます。

特に注意すべき財産としては、不動産、高額な貯蓄、投資商品、事業資産、相続財産などが挙げられます。例えば、結婚後に一方が相続した財産について「相続財産は相続した配偶者の特有財産とする」と明記しておけば、離婚時の紛争を避けられます。

また、共同で購入した不動産については「持分割合」を明確にしておくことが重要です。東京家庭裁判所での調停事例では、マンションの名義が夫のみであっても、妻が購入資金の一部を負担していたことから、持分の分割が認められたケースがあります。

財産分与に関する条項を作成する際は、曖昧な表現を避け、具体的な資産と金額、分配方法を記載することをおすすめします。例えば「預貯金は各自の名義のものを各自の所有とし、離婚時に分与の対象としない」といった明確な表現が望ましいでしょう。

なお、結婚契約書は公正証書で作成することで、法的な効力が高まります。東京都内の公証役場では、結婚契約書の公正証書作成を行っており、費用は契約内容によって異なりますが、一般的に3万円から5万円程度です。

結婚契約書の作成には法律の専門知識が必要なため、行政書士や弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。日本行政書士会連合会では、婚姻契約に関する相談窓口も設けています。将来のトラブルを防ぐための投資として、結婚契約書の作成を検討してみてはいかがでしょうか。

2. 知らないと損する!行政書士監修「結婚契約書」で財産トラブルから自分を守る方法

結婚は人生の大きな節目ですが、万が一の別れに備えて財産面での備えをしておくことも大切です。特に共働き世帯や個人事業主、資産を持っている方にとって「結婚契約書」は強い味方になります。離婚時の財産分与トラブルを未然に防ぐための具体的な方法を解説します。

結婚契約書とは、民法第755条に基づく正式な契約書で、夫婦間の財産関係を明確にするための法的文書です。一般的な婚姻関係では財産は共有となりますが、この契約書によって「何が個人の財産で、何が夫婦の共有財産か」を予め決めておけるのです。

例えば、婚前から所有していた不動産や株式、事業用資産などを「特有財産」として明記しておけば、離婚時の財産分与対象から外すことが可能です。また、将来の相続問題にも影響するため、家族経営の事業を持つ方にとっては特に重要な意味を持ちます。

契約書作成の際のポイントは以下の通りです:
・婚姻前の財産を明確にリスト化する
・婚姻中に得た収入の取り扱いを決める
・住宅ローンなど共同債務の責任分担を明記する
・将来の財産形成(退職金、年金など)の取り扱いを決める

注意点としては、あまりに一方に不利な内容だと「公序良俗に反する」として無効になる可能性があります。双方が納得できる公平な内容にすることが重要です。また、公正証書として作成することで証明力が高まります。

東京都内の行政書士事務所「リーガルパートナーズ」の調査によると、結婚契約書を作成しているカップルは増加傾向にあり、特に再婚カップルや事業主の間で需要が高まっているとのことです。

「うちは大丈夫」と思っていても、人生は予測不能です。今は円満でも将来何が起こるかわかりません。結婚契約書は決して不信感の表れではなく、お互いを尊重し合うパートナーシップの証でもあるのです。お互いの将来を守るための賢明な選択として、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

3. 離婚時の争いを減らす!行政書士が教える結婚契約書の作成ステップと注意点

結婚契約書の作成は、将来のトラブルを未然に防ぐための重要なステップです。特に財産分与に関するトラブルは離婚時に最も多く発生する問題の一つ。ここでは、行政書士の視点から結婚契約書を作成する際の具体的なステップと注意点をご紹介します。

まず結婚契約書作成の基本的な流れは次の5つのステップで進めます。

1. 夫婦間での十分な話し合い
契約内容について互いの希望や懸念点を率直に話し合いましょう。この段階で誤解があると後々のトラブルにつながります。特に財産分与の範囲、子どもの養育費、住居の取り扱いなどは詳細に検討する必要があります。

2. 専門家への相談
行政書士や弁護士などの法律の専門家に相談することで、法的に有効な契約書を作成できます。日本の法律では、民法の規定に反する内容は無効となるため、専門家のチェックは不可欠です。

3. 契約書のドラフト作成
専門家の助言をもとに契約書の草案を作成します。財産目録の添付も重要なポイントです。結婚前の財産と結婚後に取得した財産を明確に区別しておきましょう。

4. 公正証書の作成検討
強い法的効力を持たせるためには、公証役場で公正証書として作成することをお勧めします。これにより、後に契約内容について争いになった場合でも、契約の存在と内容を証明しやすくなります。

5. 定期的な見直し
結婚生活の中で状況は変化します。子どもの誕生、転職、資産状況の変化などに応じて、定期的に内容を見直し、必要に応じて改定することが大切です。

結婚契約書作成時の注意点としては、以下の4点に特に気をつけましょう。

1. 一方的に有利な内容にしない
どちらか一方に極端に有利な契約は、後に無効と判断される可能性があります。双方にとって公平な内容を心がけましょう。実際、あまりにも不平等な契約内容は裁判所で覆されるケースがあります。

2. 将来の不確定要素への対応
将来の収入増加や財産形成についても想定し、柔軟に対応できる条項を設けておくと良いでしょう。例えば「結婚後に取得した財産については○○の割合で分ける」といった条項です。

3. 感情的にならない
契約書作成は冷静な判断が求められます。感情的になると後々後悔する条項を入れてしまう可能性があります。第三者の専門家を交えることで、客観的な視点を保つことができます。

4. プライバシーへの配慮
結婚契約書には個人的な情報が多く含まれます。内容の取り扱いには十分注意し、必要な場合は秘密保持条項も検討しましょう。

東京都内の行政書士事務所では、結婚契約書の作成支援サービスを提供しています。京都の老舗結婚相談所「結婚の鐘」では、婚前カウンセリングの一環として結婚契約書の重要性について説明しているなど、近年は専門家のサポートを受けやすい環境が整ってきています。

結婚契約書は単なる「もしものため」の書類ではなく、夫婦が財産や将来について真剣に話し合うきっかけにもなります。互いの価値観を尊重し、明確にしておくことで、より良い結婚生活の土台となるでしょう。

投稿者プロフィール

保坂 一成
保坂 一成
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