お金の貸し借りで最も注意が必要なのは、実は他人との取引ではなく、親しい間柄での貸し借りなのをご存知でしょうか?
15年以上にわたり金融機関で融資業務に携わってきた経験から、家族や親友との金銭トラブルで苦しむ方々を数多く見てきました。中には数十年来の友情が崩壊したケースや、親子関係が修復不可能なまでに悪化したケースもありました。
特に最近では、コロナ禍の影響で収入が不安定になった方からの「親しい人にお金を借りたい」という相談が急増しています。しかし、安易な判断でお金を貸したり借りたりすることは、大切な人間関係を壊す原因になりかねません。
本記事では、金融の実務経験を活かし、親しい人とのお金の貸し借りで絶対に失敗しないための具体的な方法をお伝えします。事前の確認事項から、トラブル発生時の対処法、そして何より大切な人間関係を守るためのポイントまで、実例を交えながら詳しく解説していきます。
経験豊富な専門家の視点から、安全な貸し借りのための実践的なアドバイスをご提供させていただきます。これから親しい人とお金の貸し借りを考えている方は、必ずご一読ください。
なお、本記事の内容は2023年11月時点の情報に基づいています。より専門的なアドバイスが必要な場合は、各種専門家にご相談ください。
コンテンツ
1. 知らないと危険!親友とのお金の貸し借りで後悔しないための「事前確認リスト」
金融機関で数多くの個人間トラブルを見てきた経験から、最も重要な事前確認のポイントをお伝えします。
友人や親族とのお金の貸し借りで最も重要なのは、貸す前の状況確認です。以下の3点を必ず確認しましょう。
1つ目は「返済計画の具体性」です。いつまでに、どのような方法で、いくらずつ返済するのか。曖昧な約束は必ずトラブルのもとになります。給与日や収入サイクルに合わせた無理のない返済プランを立てることが重要です。
2つ目は「資金使途の明確化」。なぜそのお金が必要なのか、具体的な使い道を確認しましょう。ギャンブルや投機的な用途での借り入れは要注意です。生活費や医療費など、真に必要な理由かどうかを見極めることが大切です。
3つ目は「他の借入金の有無」。消費者金融やクレジットカードの利用状況など、総合的な借入状況を把握しましょう。返済能力を超えた貸付は、双方の関係を壊すだけでなく、法的トラブルに発展するリスクもあります。
これらの確認を怠ると、「まさか親友だから」という思い込みが、取り返しのつかない事態を招くことになりかねません。感情的な判断は避け、冷静な視点で判断することが、大切な人間関係を守るポイントとなります。
2. 家族・友人とのお金トラブル、実例から学ぶ賢い対処法と予防のポイント
家族や友人とのお金の貸し借りで起きたトラブルの多くは、「親しき仲にも礼儀あり」を忘れてしまうことから始まります。金融機関での経験から、特に深刻だった事例と、その対処法をお伝えします。
最も多いトラブルは、返済期限が曖昧なまま貸し借りをしてしまうケースです。「親しい間柄だから」と考えて、具体的な返済計画を立てないまま大金を貸してしまい、結果的に人間関係が壊れてしまった事例を数多く見てきました。
実際にあった事例として、実姉に500万円を貸したものの、約束の返済期限を過ぎても一向に返済の気配がなく、催促するたびに関係が悪化。最終的に親族間での争いに発展してしまったケースがありました。
このようなトラブルを防ぐための具体的な対処法は以下の3点です。
1. 必ず借用書を作成する
親しい間柄でも、金額の大小に関わらず必ず書面で残すことが重要です。
2. 返済計画を具体的に決める
「給料日に3万円ずつ」など、はっきりとした金額と期日を設定します。
3. 貸付上限を決めておく
これ以上は貸さないという限度額を予め決めておくことで、追加の貸付要求を防ぎます。
また、借り手の立場になった時は、返済の意思と能力をしっかりと示すことが重要です。具体的な返済計画を自ら提案し、約束した期日は必ず守る姿勢を見せることで、貸し手との信頼関係を保つことができます。
特に注意したいのは、SNSでの金銭トラブルです。メッセージでの約束だけで安易に貸し借りをすることは避けましょう。必ず対面で話し合い、書面での約束を交わすことをお勧めします。
相手との関係を良好に保ちながらお金の貸し借りを進めるには、このような基本的なルールを守ることが不可欠です。親しい間柄だからこそ、きちんとしたルール作りが必要なのです。
3. 元金融マンが警告!安易な貸し借りで失った大切な人間関係、回復のための秘訣とは
金融機関で融資審査を担当していた経験から断言できますが、親しい間柄でのお金の貸し借りは人間関係を壊す最大の要因の一つです。特に返済が滞った際の対応を誤ると、長年築いてきた信頼関係が一瞬で崩壊してしまいます。
実際に、私が担当した案件で、親友間での500万円の貸し借りが原因で20年来の友情が終わってしまったケースがありました。このような悲しい結末を避けるために、以下の3つの対応策を必ず実践してください。
まず、返済期限を明確に定めた借用書を必ず作成することです。口頭での約束は後々トラブルの種となります。次に、返済が遅れ始めたら、すぐに話し合いの場を設けることが重要です。放置すればするほど、問題は深刻化していきます。
そして最も重要なのが、貸し手と借り手の双方が感情的にならないことです。経済的な問題と人間関係は切り離して考え、冷静な話し合いを心がけましょう。必要に応じて、第三者である法律の専門家に介入してもらうのも一つの手段です。
返済トラブルを解決できても、壊れた信頼関係を修復するには相当な時間と努力が必要です。そもそも安易な貸し借りを避け、必要な場合は金融機関の正式な融資を利用することを強くお勧めします。
人間関係とお金が絡むと、どちらも失ってしまう可能性があります。大切な人との関係を守るためにも、この警告を真摯に受け止めていただきたいと思います。
4. 事例から解説!身近な人とのお金の貸し借り、トラブルを防ぐ合意書の作り方
お金の貸し借りで最も重要なのは、きちんとした合意書を作成することです。「親しい間柄だから」と省略してしまうと、後々大きなトラブルに発展するケースが多く見られます。
具体的な合意書の作成方法を、実際のトラブル事例を交えながら解説していきます。
合意書には以下の5項目を必ず記載しましょう。
1. 貸借金額
2. 返済期限と返済方法(一括か分割か)
3. 利息の有無(利息を取る場合は利率)
4. 借主・貸主の氏名、住所、連絡先
5. 作成日付
特に重要なのは返済方法の詳細です。「給料日に返す」といった曖昧な表現は避け、「毎月25日に3万円ずつ振り込む」など具体的に記載します。振込先の口座情報も明記しておくと安心です。
書式は特に決まっていませんが、A4用紙に印刷して2部作成し、それぞれが保管します。署名捺印も忘れずに行いましょう。
また、返済が完了したら合意書に「返済完了」と記載して双方で確認することをお勧めします。これにより、後日「まだ全額返していない」といったトラブルを防ぐことができます。
なお、金銭消費貸借契約書のテンプレートは法律事務所のウェブサイトで無料提供されているものも多いので、それらを参考にするのも良いでしょう。
5. 【金融のプロ監修】親しい人へのお金の貸し方・借り方、絶対に押さえるべき7つのルール
【金融のプロ監修】親しい人へのお金の貸し方・借り方、絶対に押さえるべき7つのルール
親しい人とのお金の貸し借りで人間関係が壊れるケースは後を絶ちません。金融機関での経験から、トラブルを防ぐための具体的なルールをお伝えします。
1. 必ず書面を作成する
金額の大小に関わらず、貸借契約書を作成しましょう。日付、金額、返済期限、返済方法を明記し、双方が署名・捺印します。
2. 返済計画を具体的に決める
「できるだけ早く返す」といった曖昧な約束は厳禁です。毎月の返済額と振込日を決めましょう。給与日に合わせるのがベストです。
3. 利息について明確にする
無利息か有利息かを明確にします。有利息の場合は利率を法定金利の範囲内で設定し、書面に記載します。
4. 第三者を立ち会わせる
可能な限り、共通の知人に立ち会ってもらいましょう。後のトラブル防止に効果的です。
5. 返済が滞った際の対応を決める
延滞時の連絡方法や、代替返済計画についてあらかじめ決めておきます。
6. 借入理由を確認する
ギャンブルや投機的な目的での借入は避けるべきです。生活費や急な出費など、理由を明確にしましょう。
7. 貸せない場合は明確に断る
相手のためを思うなら、安易な貸付は避けましょう。他の解決方法をアドバイスするのも一案です。
これらのルールを守ることで、金銭トラブルを防ぎ、大切な人間関係を守ることができます。特に1と2は必須ルールです。感情的になりやすい金銭問題だからこそ、明確なルール作りが重要なのです。
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