「親の物忘れが少し増えてきたけれど、もし認知症になったら実家の管理や預金の引き出しはどうなってしまうのだろう」とご不安に感じていませんか。

超高齢社会を迎えた現在、親御様の認知症対策に関するご相談が当事務所にも数多く寄せられています。最近対応させていただいた事例の中でも、特に印象に残っているご相談がございます。ご相談にいらしたのは、一人暮らしをされているお母様の様子に不安を感じていた娘様でした。「最近、母が定期預金の通帳の場所を忘れることが増えました。もしこのまま認知症が進行して口座が凍結されてしまったら、将来の介護施設の入居費用や日々の生活費をどうやって準備すればいいのか」と、深い悩みを抱えていらっしゃいました。

そこで私たち専門スタッフは、お母様がまだご自身の意思をしっかりと示せる今のうちに、娘様を将来の財産管理人に指定する「任意後見制度」の活用をご提案いたしました。口約束や当事者同士の書面ではなく、公的な証明力を持つ公正証書で契約を結んでおくことで、いざというときに金融機関の窓口でも確実にお手続きができるようになります。

公証役場での複雑な手続きや事前の書類準備などは私たちが全面的にサポートさせていただき、無事に任意後見契約の公正証書が完成いたしました。その後、娘様からは「これで万が一のときも母の財産を適切に守り、生活を支えることができます。将来の相続手続きへの不安も軽減され、本当に肩の荷が下りました」と、大変晴れやかな表情でお言葉をいただくことができました。

本記事では、この事例のように預金凍結という深刻な事態を防ぎ、ご家族の安心を守るための最適な解決策について詳しく解説いたします。行政書士と一緒に確実かつスムーズに進める任意後見契約の公正証書作成ステップから、将来を見据えた事前の備えまで、2026年の最新情報をもとにわかりやすくお届けします。大切なご家族の財産と未来を守るために、ぜひ最後までお読みください。

1. 親御様の認知症に対するご家族の不安と実際に寄せられたご相談事例

親の物忘れが少しずつ増えてきたとき、ご家族の心に最初に浮かぶのは「もし認知症になってしまったら、今後の生活やお金の管理はどうなるのだろうか」という切実な不安です。超高齢社会を迎えた現代において、親の認知症対策はどの家庭にも起こり得る非常に身近な課題となっています。

日々、親御様の将来を案じるご家族から多くのご相談が寄せられています。具体的にどのような不安を抱え、どのような状況で行政書士へ相談に訪れるのか、実際に寄せられたご相談事例をいくつかご紹介いたします。

【事例1:親の預金口座が凍結され、介護費用が引き出せなくなる不安】
都内にお住まいの50代男性からのご相談です。一人暮らしをしている母親の物忘れが目立つようになり、将来的に銀行口座が凍結されてしまうのではないかと強い危機感を抱いていました。認知症が進行して意思能力がないと金融機関に判断されると、口座は事実上凍結されます。母親の預金から介護施設の入居費用や日々の医療費を支払う予定だったため、もし引き出せなくなれば、ご長男である相談者自身がすべての費用を立て替えなければならず、ご自身の生活も立ち行かなくなると悩まれていました。

【事例2:空き家になった実家を売却できなくなるリスク】
遠方にお住まいの40代女性からのご相談事例です。父親が病気で倒れて以降、少しずつ認知機能の低下が見られるようになりました。ゆくゆくは父親を施設に入れ、誰も住まなくなる実家を売却してその費用を施設代に充てたいと考えていました。しかし、不動産の売却には所有者本人の明確な意思確認が必要です。認知症と診断されてからでは、子供であっても勝手に実家を売却することはできず、固定資産税や維持管理費だけが長期間にわたってのしかかってくるという現実に直面し、慌てて対策を求めていらっしゃいました。

【事例3:法定後見制度のデメリットに対する懸念】
すでに親の認知症対策についてご自身で調べられているご家族からのご相談です。認知症発症後に利用できる成年後見制度(法定後見)について調べたところ、家庭裁判所が選任した見ず知らずの専門職が後見人となる可能性があり、毎月継続的に報酬を支払い続けなければならないことを知りました。家族の意向が柔軟に反映されにくく、財産の自由な活用が制限される法定後見制度を回避し、信頼できる家族だけで財産管理を行いたいという切実なご要望でした。

これらの事例に共通しているのは、ご家族が「このままでは手遅れになるかもしれない」という強い危機感を抱いている点です。認知症による財産凍結のリスクは、ある日突然現実のものとなります。ご家族の不安を解消し、親御様の尊厳を守りながらスムーズな財産管理を実現するための最も有効な手段こそが、親御様が元気なうちに行政書士と準備を進める任意後見契約の締結なのです。

2. 預金が凍結される前に私たちがご提案した任意後見制度の活用方法

親が認知症を発症し、判断能力が低下したと金融機関が判断した瞬間に、その銀行口座は厳格に凍結されてしまいます。親の口座が凍結されると、高額な介護費用や入院費用の支払い、日々の生活費の引き出し、さらには実家の修繕や売却といった重要な財産処分が一切できなくなるという深刻な事態に陥ります。家族が親のために良かれと思って行動しても、法的な権限がなければ金融機関は対応してくれません。多くの方が突然直面するこの切実な問題を未然に防ぐための最も有効な法的手続きが、任意後見制度です。

任意後見制度とは、親がまだ元気で十分な判断能力を持っているうちに、将来自分の判断能力が低下したときに備えて、大切な財産の管理や医療・介護の手続き(身上保護)を任せる相手をあらかじめ契約によって決めておく制度です。この契約は、法的な確実性を担保するために必ず公証役場において公正証書で作成する必要があります。

私たちが実務の中でご家族にご提案しているのは、単なる定型的な契約ではなく、将来起こりうるリスクを徹底的に洗い出し、それぞれの家庭環境に合わせたオーダーメイドの任意後見契約を設計することです。たとえば、不動産の管理や大規模な資産運用は長男に委任し、日々の生活費の管理や介護施設との契約手続きは同居している長女に委任するといった、きめ細やかな権限の分配を公正証書に盛り込むことが可能です。

また、口座凍結の対策をさらに万全にするため、判断能力が低下する前から財産の管理をサポートする財産管理等委任契約や、万が一亡くなった後の煩雑な手続きを任せる死後事務委任契約をセットにして組み合わせる方法も強くおすすめしています。これにより、親が元気な段階から認知症発症後、そして最期を迎えた後まで、一切の切れ目がない強固なサポート体制を構築できます。

もし事前に対策を行わず、実際に口座が凍結されてから法定後見制度を利用しようとすると、家庭裁判所への膨大で複雑な申し立て手続きが必要となります。さらに、家族の希望通りに親族が後見人に選ばれるとは限らず、弁護士や司法書士などの第三者が選任される可能性が高くなります。その場合、親の財産から専門家への報酬が継続的に発生し続け、家族の意向が柔軟に反映されにくくなるという大きなデメリットが存在します。大切な親の財産を確実に守り、残された家族の精神的・経済的な負担を最小限に抑えるためにも、事前の防衛策として任意後見制度の活用をご検討ください。

3. 専門スタッフと一緒に進める任意後見契約の公正証書作成ステップ

任意後見契約を法的に有効なものにするためには、公証役場で「公正証書」として作成することが法律で義務付けられています。しかし、専門用語が並ぶ契約書の原案作成や、公証人との事前打ち合わせをご家族だけで行うには、多くの時間と労力がかかります。ここで頼りになるのが、権利義務や事実証明に関する書類作成のプロフェッショナルである行政書士です。専門スタッフのサポートを受けながら、確実に手続きを進めるための具体的なステップを解説します。

ステップ1:初回相談とライフプランのヒアリング
まずは、親御様の現在の健康状態、預貯金や不動産といった財産の状況、そして「将来どこでどのように暮らしたいか」というご希望を丁寧にヒアリングします。誰に財産管理を任せるかという任意後見受任者の選定についても、親族間の意見の相違を防ぐ視点から客観的なアドバイスを受けられます。

ステップ2:契約内容の設計と原案作成
ヒアリング内容をもとに、行政書士が任意後見契約書の原案を作成します。任意後見人の仕事は、銀行での預金引き出しや不動産の管理・処分といった「財産管理」と、介護施設への入所手続きや病院への入院手続きといった「身上保護」に分かれます。親御様一人ひとりの生活状況に合わせて、将来必要となる代理権を過不足なくカスタマイズし、法的に抜け漏れのない文面に落とし込みます。

ステップ3:必要書類の収集と公証役場との事前打ち合わせ
契約書の原案が固まったら、行政書士が代理で公証役場へ事前相談を行い、公証人と直接内容のすり合わせを行います。同時に、公正証書の作成に不可欠な戸籍謄本、住民票、印鑑証明書といった公的書類の収集も代行またはサポートします。この段階で法的な不備を完全に排除できるため、スムーズな進行が可能になります。

ステップ4:公証役場での契約締結と公正証書完成
書類と日程の調整が完了したら、ご本人様(親御様)と任意後見受任者となる方が公証役場へ出向きます。手続きは、霞ヶ関公証役場や新宿公証役場など、全国に点在する最寄りの公証役場で行うことができます。当日は公証人が契約内容を読み上げ、ご本人の確固たる意思確認を行ったうえで、署名と実印での捺印を行います。もし親御様の足腰が不自由で外出が難しい場合は、行政書士を通じて公証人に自宅や病院、施設まで出張してもらう制度を手配することも可能です。

このように、行政書士という専門スタッフと二人三脚でステップを踏むことで、複雑な法的手続きの精神的・体力的な負担を大幅に軽減できます。親御様の判断能力がしっかりしているうちに、確実な法的手続きを完了させておくことが、ご家族全員の将来の安心に直結します。

4. 制度を活用されたことでご家族が実感された安心感と解決後のご様子

親の認知症が進行した際、ご家族が最も直面しやすい壁が銀行口座の凍結と、それに伴う介護施設への入所手続きの停滞です。実際に任意後見制度を行政書士のサポートのもとで活用し、公証役場で公正証書を作成されたご家族からは、計り知れない安心感を得られたという切実なお声を数多くいただいています。

東京都内にお住まいの高橋さんご家族の事例をご紹介します。母親の物忘れが少し気になり始めたタイミングで行政書士に相談し、任意後見契約を締結されました。その後、母親の認知症が進行し、特別養護老人ホームへの入所が必要になった際、この事前の準備が大きな効力を発揮しました。

通常、本人の意思能力が著しく低下した状態では、銀行の窓口でまとまった預金を引き出したり、実家の売却手続きを進めたりすることは事実上不可能です。しかし、高橋さんご家族は任意後見の公正証書をあらかじめ作成していたため、家庭裁判所での手続きを経て速やかに任意後見監督人が選任され、母親の定期預金の解約や高額な介護施設への初期費用支払い手続きを一切の滞りなく完了させることができました。

また、ご家族が実感されるメリットは金銭的なトラブル回避にとどまりません。精神的な負担の大幅な軽減も、制度活用の重要なポイントです。神奈川県で暮らす伊藤さんご家族は、将来の療養看護に対する希望や、誰にどのような財産管理を任せたいかという父親の真意を、行政書士を交えた契約準備の段階でしっかりとヒアリングすることができました。「父が元気なうちに希望を直接聞けて、それを法的な効力を持つ形で残せたことで、迷いなく日々の介護に向き合えています」という言葉は、任意後見制度の本来の価値を表しています。

親族間での意見の食い違いや争いを未然に防ぐ効果も絶大です。国家資格者である行政書士が第三者として客観的な立場で関与し、公正証書という極めて証明力の高い公文書に仕上げることで、他の親族に対しても透明性の高い財産管理を客観的に証明できます。誰が親の面倒を見るのか、介護費用はどこから捻出するのかといったデリケートな問題がクリアになり、兄弟姉妹の絆を保ったまま介護生活に専念できる環境が整います。

任意後見契約は単なる事務的な法的手続きではなく、大切なご家族の笑顔と穏やかな日常を守るための強力な盾となります。将来への漠然とした不安が、確かな備えによる具体的な安心へと変わる瞬間を、多くのご家族が実感されています。

5. 将来の相続手続きも見据えた事前の備えとして今すぐできる対策

親の認知症対策として任意後見契約を結ぶことは非常に重要ですが、実は任意後見制度には大きな注意点があります。それは、ご本人がお亡くなりになった瞬間に任意後見契約の効力は失われ、その後の遺産分割や預貯金の解約といった相続手続きには対応できないという事実です。生前の財産管理は完璧でも、死後の相続で親族間のトラブルが発生してしまっては元も子もありません。そのため、将来の相続手続きを視野に入れた切れ目のない対策を今すぐ準備しておく必要があります。

まず、最も効果的で今すぐ取り組むべき対策は「公正証書遺言」の作成です。任意後見契約を公証役場で締結する際、同時に遺言書も作成しておくことで、生前の財産管理から死後の財産承継までをスムーズに移行させることができます。行政書士に依頼すれば、任意後見契約書と遺言書の両方の原案作成から公証人との煩雑な打ち合わせまでを一括でサポートしてもらえるため、手続きの負担を大幅に軽減できます。

次に「死後事務委任契約」の検討も推奨されます。ご本人の死後、遺産分割協議が整うまでの間には、葬儀費用の支払いや病院・介護施設への未払い金の精算、賃貸住宅の解約など、誰かがすぐに行わなければならない手続きが山積みになります。金融機関の口座が凍結されてしまうと、残されたご家族が立て替えを余儀なくされるケースも少なくありません。生前に死後事務委任契約を結んでおくことで、相続人の負担を劇的に減らすことが可能です。

また、ご自宅で今週末からでも始められる具体的な行動として、財産の洗い出しと整理が挙げられます。例えば、三菱UFJ銀行やゆうちょ銀行、地元の信用金庫などに分散している預貯金口座を、管理しやすいようにメインバンクへまとめておくことは非常に実用的な生前対策です。使っていないクレジットカードの解約や、加入している生命保険証券、不動産の権利証などの保管場所を記載した「財産目録」を作成し、家族で共有しておくことも将来の相続手続きにおいて絶大な効果を発揮します。

認知症の発症や相続の発生は、ある日突然やってきます。手遅れになる前に、生前の財産を守る任意後見と、死後の想いを形にする遺言書などの相続対策をセットで考え、法務手続きの専門家である行政書士と共に安心できる包括的な備えを構築していきましょう。

投稿者プロフィール

保坂 一成
保坂 一成
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