近年、熟年再婚や事実婚など、パートナーシップの形が多様化する中で、将来の財産管理や相続に対する不安を抱える方が増えています。「新しいパートナーと人生を歩みたいけれど、家族との関係も大切にしたい」という切実な思いに対し、法的な備えをしておくことは、お互いの絆を深めるための重要なステップです。

先日、当事務所へご相談にいらした50代の男性の事例をご紹介します。再婚を控えていたご依頼者様は、「自分に万が一のことがあった際、前妻との間のお子様と、新しいパートナーとの間で相続トラブルにならないか」と深く悩んでおられました。幸せな再婚生活をスタートさせるはずが、将来への漠然とした不安が影を落としていたのです。

そこで私たちは、お二人の財産関係や生活費の分担、そして将来の相続に関する取り決めを明確にする「結婚契約書」を、公正証書として作成することをご提案しました。単なる口約束ではなく、法的な効力を持つ文書として残すことで、ご本人だけでなく、周囲のご家族への誠意ある説明材料にもなります。

行政書士として、お二人の想いを丁寧にヒアリングし、法的な観点から漏れのない文案作成をサポートさせていただきました。完成した公正証書を手にした際、ご依頼者様が「これで安心して、子供たちにも再婚の話ができる」と安堵の表情を浮かべられたことが、私たちスタッフにとっても大変印象に残っています。

このように、あらかじめ契約書を交わしておくことは、トラブル防止だけでなく、精神的な安心感にもつながります。本記事では、相続トラブルを未然に防ぐための結婚契約書の作り方や、公正証書にするメリットについて、専門家である行政書士の知識を交えて詳しく解説していきます。お二人のこれからの人生を守るための参考にしていただければ幸いです。

1. 【事例紹介】再婚時の相続不安を解消いたしました!公正証書による結婚契約書作成の相談実録

近年、熟年再婚や事実婚を選択するカップルが増加する一方で、それに伴う相続トラブルの懸念も深まっています。特にお子様がいらっしゃる場合や、互いに資産を形成してから結婚する場合、「もしもの時」の財産分配は非常にデリケートな問題となります。今回は、行政書士として実際に受任した相談事例をもとに、公正証書による結婚契約書(夫婦財産契約)がいかにして将来の不安を解消したかをご紹介します。

ご相談にお見えになったのは、会社経営者の60代男性でした。前妻との間に成人した二人のお子様がいらっしゃり、数年前に死別されています。この度、趣味のサークルで知り合った50代の女性と再婚を決意されましたが、男性にはご自身の会社株式や不動産など一定の資産がありました。

男性の悩みは切実でした。「新しいパートナーには苦労をかけたくないが、前妻との子供たちの相続分が減ることで、子供たちが彼女を敵視するような事態は避けたい。また、万が一離婚することになった場合、会社経営に影響が出るような財産分与が発生するのも防ぎたい」というものです。再婚相手の女性もまた、「財産目当てだと思われたくないので、金銭面は明確にしておきたい」という意思をお持ちでした。

そこで提案したのが、入籍前に「夫婦財産契約」を公正証書で締結し、登記することです。日本の民法では、夫婦別産制が原則ですが、特有財産(結婚前から持っていた財産)の証明が困難になるケースが多々あります。契約書では以下の点を明確に定めました。

まず、結婚前から双方が保有している預貯金、不動産、有価証券はそれぞれの「特有財産」とし、離婚時の財産分与の対象としないこと。次に、結婚後の生活費の分担割合や、共同生活で築いた財産の帰属についてです。さらに、今回は相続発生時のトラブル防止策として、遺言書の作成もセットで行うことを盛り込みました。

特に重要だったのは、この契約書を「公正証書」として作成した点です。公証役場で公証人の立ち会いのもと作成される公正証書は、極めて高い証拠能力を持ちます。これにより、将来的にどちらかの記憶が曖昧になったり、相続人である子供たちから疑義が生じたりした場合でも、契約内容が法的に守られます。

結果として、男性は「子供たちにも契約内容を説明し、納得してもらえた」と安堵され、女性も「これで胸を張って彼と一緒になれる」と晴れやかな表情で入籍されました。結婚契約書は、単に財産を守るだけでなく、家族全員の信頼関係を守るための「愛の契約書」とも言えるでしょう。

このように、再婚時の複雑な事情も、行政書士等の専門家を交えて法的に整理することで、円満な解決へ導くことが可能です。これから新しい人生を歩もうとしている方は、転ばぬ先の杖として、結婚契約書の作成を検討してみてはいかがでしょうか。

2. 将来の安心を守るために。事実婚カップルが選んだ結婚契約書と行政書士による公正証書サポート

近年、入籍をしない「事実婚」というスタイルを選択するカップルが増加しています。夫婦別姓を維持したい、形式にとらわれたくないなど理由は様々ですが、法律上の婚姻関係にない場合、パートナーが急逝した際に法定相続人になれないという重大なリスクが潜んでいることをご存知でしょうか。長年連れ添ったとしても、法的な対策をしていなければパートナーの財産を一切受け取れない可能性があり、残された側の生活基盤が脅かされるケースも少なくありません。

そこで多くのカップルが導入しているのが、二人の関係性や約束事を法的に明確にする「結婚契約書(準婚姻契約書)」の作成です。これは、日々の生活費の分担や共有財産の管理方法、万が一関係を解消する際の財産分与、さらには療養看護が必要になった際の取り決めなどをあらかじめ書面にしておくものです。

しかし、自分たちだけで作成した私的な契約書では、法的な効力が認められない場合や、紛失・改ざんの恐れ、内容が曖昧でかえってトラブルの火種になることもあります。ここで重要になるのが、契約書を「公正証書」にするという手続きです。公正証書とは、公証役場で公証人という法律のプロフェッショナルが作成する公文書のことで、極めて高い証拠能力を持ちます。特に金銭の支払いに関する取り決めがある場合、不履行があった際に裁判を経ずに強制執行が可能になる文言を盛り込むことができるため、将来の安心感は格段に高まります。

この複雑な公正証書作成において、強力なサポーターとなるのが行政書士です。行政書士は「予防法務」の専門家として、二人の希望を丁寧にヒアリングし、法的に有効かつ公序良俗に反しない契約書の原案を作成します。また、慣れない公証役場との事前打ち合わせや書類の手配、日程調整などをスムーズに進めてくれるため、平日に時間が取れない現役世代のカップルにとっても大きなメリットがあります。

さらに、事実婚における相続対策を盤石にするためには、結婚契約書だけでなく「公正証書遺言」の作成もセットで検討することが不可欠です。契約書で生前の財産管理や同居のルールを定め、遺言書で死後の財産承継(遺贈)を明確に指定する。この二つを行政書士のサポートのもとで組み合わせることで、法律婚に勝るとも劣らない法的保護と安心を手に入れることができます。将来のトラブルを未然に防ぎ、お互いの生活を守るために、専門家を活用した公正証書の作成は、二人の絆をより強固なものにする賢明な選択と言えるでしょう。

3. 熟年結婚の財産管理はどうすべき?ご家族との関係を円満に保つための結婚契約書作成ストーリー

人生100年時代といわれる現代において、熟年結婚やシニア世代の再婚は決して珍しいことではありません。第二の人生を共に歩むパートナーを得ることは素晴らしいことですが、そこで避けて通れないのが「財産管理」と「相続」の問題です。特にお互いに子供がいる場合や、資産背景に差がある場合、ご家族(特にお子様世代)が経済的な不安を感じ、再婚に反対するケースも少なくありません。

ここでは、実際にあった相談事例をもとに、どのようにして家族の理解を得て円満な熟年結婚を実現したのか、そのストーリーと具体的な対策をご紹介します。

子供たちの猛反対に直面した再婚カップルの悩み

60代後半の男性と60代前半の女性のカップルの事例です。お互いに死別や離婚を経験しており、それぞれ独立した子供がいました。二人は趣味の集まりで意気投合し、再婚(入籍)を考えるようになりましたが、男性側の子供たちから強い難色を示されました。

その理由は明確で、「父の再婚相手に実家の不動産や預貯金が相続され、自分たちの取り分が減るのではないか」「父の資産が目当てなのではないか」という疑念でした。法律上、配偶者は常に相続人となり、法定相続分として遺産の2分の1を受け取る権利が発生するため、子供たちの不安も無理はありません。

二人は「お金の問題で家族と揉めたくないが、法的な夫婦として暮らしたい」というジレンマに陥り、行政書士に相談を持ちかけました。

解決の鍵は「夫婦財産契約」と「遺言書」の併用

この問題を解決するために提案されたのが、入籍前に「夫婦財産契約(いわゆる結婚契約書)」を結び、さらに「遺言書」を作成するという方法です。

夫婦財産契約とは、民法で定められた「夫婦の財産関係」とは異なる取り決めを、結婚前に登記しておく制度です。このカップルは、公正証書を用いて以下のような内容を明確に契約書に盛り込みました。

1. 特有財産の確認:結婚前から各自が保有している不動産や預貯金は、それぞれの固有の財産(特有財産)とし、結婚後も相手方の財産とは混ぜないこと。
2. 生活費の分担:日々の生活費は収入の多い夫側が負担するが、資産形成につながるような大きな出費についてはその都度協議すること。
3. 相続に関する意思表示:お互いの特有財産については、相手方に相続させず、それぞれの実子に承継させる意向であること。

ただし、夫婦財産契約だけでは相続発生時の権利を完全にコントロールすることはできません。そこで重要になるのが「遺言書」です。契約書の内容を法的に裏付けるため、男性は「全財産を実子に相続させる」という内容の公正証書遺言を作成しました。同時に、女性側も「遺留分(最低限の遺産取得分)を請求しない」という旨を念書として残し、お互いの覚悟を書面にしました。

※遺留分の事前放棄は家庭裁判所の許可が必要ですが、生前に遺留分減殺請求を行わない旨の合意形成をしておくことは、精神的な拘束力として機能します。

書面がもたらした家族の安心と信頼

こうして作成された公正証書を子供たちに提示し、丁寧に説明を行った結果、事態は好転しました。「父の財産を守り、子供たちに引き継ぐ」という意思が法的な書面で証明されたことで、子供たちの疑念が晴れたのです。

「そこまでしっかり取り決めをしているなら、父の老後を支えてくれるパートナーとして歓迎します」と、最終的には子供たちも再婚に賛成。二人は晴れて入籍し、お互いの家族と良好な関係を築きながら穏やかな新婚生活をスタートさせました。

熟年結婚における結婚契約書は、二人だけの約束事にとどまりません。それは、周囲の家族に対する「誠意」と「責任」の証明でもあります。感情的な対立を未然に防ぎ、全員が笑顔になれる選択をするために、専門家である行政書士を交えて公正証書を作成することは、非常に有効な手段といえるでしょう。

投稿者プロフィール

保坂 一成
保坂 一成
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